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外国人技能実習制度とは

技能実習制度の職種・作業について

1「移行対象職種」とは(予備知識と注意点)

「移行対象職種」とは、その職種に従事している技能実習生が第1号技能実習(1年以内の在留)から第2・3号技能実習(1年以上、最大5年の在留)に移行することを認められる業務であり、厚生労働省における専門家会議等を経て、省令別表(官報)への掲載をもって新規に追加されます。
移行対象職種は「職種」という分類と、使用する機器や現場、製品の違いなどによって「職種」を細かく区別した「作業」という分類からなります。
また、移行対象職種には必須業務(必ず従事する必要がある業務)が例外なく定められています。技能実習生の受入れにあたっては、必須業務をはじめとする基準に従って、技能実習計画の認定審査における業務内容の適合性、事後の立入調査の際に現場が不適正な状況に陥っていないか等の判断がなされることに注意が必要です。
実際に外国人技能実習機構(OTIT)は、そのようなケースに対して指導の実施や改善命令、認定の取消し等を行うと周知しています。

監理団体による技能実習計画の作成指導及び監査等における留意点について(技能実習計画齟齬) 平成30年6月21日(外国人技能実習機構(OTIT)HP)PDF

技能実習計画の作成指導及び監査等留意点について 令和3年2月24日(外国人技能実習機構(OTIT)HP)PDF

2移行対象職種ごとの「審査基準」

技能実習生が従事する業務が移行対象職種・作業に該当するか判断する基準が、厚生労働省が公表している「審査基準」です。「審査基準」には職種・作業に関する細かな要件が書かれているため、監理団体の計画作成指導者から、実習実施者の技能実習責任者、技能実習指導員まで、内容の確認が必要となります。
移行対象職種ごとの「審査基準」は、技能実習実施計画書のモデル例や試験基準の資料とともに、厚生労働省のHPにすべて掲載されています。

技能実習計画審査基準・技能実習実施計画書モデル例・技能評価試験の試験基準(厚生労働省HP)

3「審査基準」の各項目の見方

審査基準の各項目を確認する場合の注意点について、以下、溶接職種(手溶接作業)を例に説明いたします。

表中の① 作業の定義

当該職種・作業について、現場で技能実習生がどのような業務に従事することを想定しているかが記載されている項目です。
手溶接作業の場合、溶接の種類の中でも、アーク溶接という工法による業務と書かれています。職種によっては、特定の許可や登録等が要件として必要になることも書かれている場合があります。

表中の② 必須業務

当該職種・作業で必ず従事しなければならない業務が記載されており、ここに記載された業務は、「必要に応じて行う」などのただし書きがない限り、一つも欠かさずに行う必要があります。
通常、第1号技能実習から第2号、3号への移行に伴い、修得すべき技能要素が高度化していきます。手溶接作業のケースでも第2号、3号になるにつれて、横向、上向など、溶接作業における溶接姿勢の種類が選択肢として追加されていきます。
また、必須業務に含まれる安全衛生業務がその下に書かれており(②’)、こちらもすべて行う必要があるほか、危険性を伴う業務については法的に必要な特定の教育や講習の受講を指示している場合もあるので、必ず確認してください。例えば手溶接作業は、アーク溶接の特別教育が必要と記載されています。

表中の③ 関連業務・周辺業務

必須業務との関連性が認められたり、日本人従業員と同様に従事することが想定される業務です。必須業務と同じく、安全衛生業務の時間を含めて設定する必要があります(③’)。
例えば、手溶接作業では、ガス溶接などが関連業務として、製品の梱包などが周辺業務として認められています。また、関連業務や周辺業務は必ずしも実施する必要はなく、あくまで例示としての位置づけであり、この点は必須業務と大きく異なります。

表中の④・⑤ 使用する素材・材料等と機械・器具等

当該職種・作業で用いる原料や、扱う道具などが記載されています。
職種によっては、特定の資材の使用を義務づけている場合があり、手溶接作業も、JIS規格で定められた鉄鋼材料やアーク溶接機の使用を求めています。

表中の⑥ 製品等の例

当該職種・作業でつくられる製品例や、想定される成果物等が記載されています。

表中の⑦ 移行対象職種・作業とはならない業務例

当該職種・作業において従事が認められない業務や、それのみでは職種の要件を満たすことができない業務などが記載されています。
従事できると誤解、混同されがちな業務については注意喚起として記載されている場合もあるため、確認が必要となります。

4移行対象職種の一覧と新規の職種追加

現在の移行対象職種の一覧は下記のとおりです(2024年9月30日時点)。

  • 1.農業・林業関係(3職種7作業)
コード 職種 作業 職種特有の要件
1-1-1 耕種農業● 施設園芸 技能実習計画の提出にあたり営農証明書等を提示すること
1-1-2 畑作・野菜
1-1-3 果樹
1-2-1 畜産農業● 養豚
1-2-2 養鶏
1-2-3 酪農
1-3-1 林業 育林・素材生産作業 事業所の要件(林業労働力の確保の促進に関する法律第5条の認定を受けている者、または、森林経営管理法第36条に基づく民間事業者)や
受け入れ人数枠(技能実習生の総数が常勤の職員の総数を超えることができない)など、
特有の条件を満たすこと(特定の職種及び作業に係る技能実習制度運用要領-林業職種の育林・素材生産作業の基準について-を参照のこと)

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  • 2.漁業関係(2職種10作業)
コード 職種 作業 職種特有の要件
2-1-1 漁船漁業● かつお一本釣り漁業 水産庁に設置された漁業技能実習事業協議会より、
技能実習計画の申請に添付する証明書の交付を
受けることを含め、特有の条件を満たすこと(水産庁HP及び、
特定の職種及び作業に係る技能実習制度運用要領
-漁船漁業職種及び養殖業職種に属する作業の基準について-

参照のこと)
2-1-2 延縄漁業
2-1-3 いか釣り漁業
2-1-4 まき網漁業
2-1-5 ひき網漁業
2-1-6 刺し網漁業
2-1-7 定置網漁業
2-1-8 かに・えびかご漁業
2-1-9 棒受網漁業△
2-2-1 養殖業● ほたてがい・まがき養殖作業

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  • 3.建設関係(22職種33作業)
コード 職種 作業 職種特有の要件
3-1-1 さく井 パーカッション式さく井工事 2020年1月より、受入れ人数枠やキャリアアップシステムの
登録等にかかる固有の基準が適用される場合があるので
対応すること(特定の職種及び作業に係る技能実習制度運用要領
-建設関係職種等の基準について-
を参照のこと)。
3-1-2 ロータリー式さく井工事
3-2-1 建築板金 ダクト板金
3-2-2 内外装板金
3-3-1 冷凍空気調和機器施工 冷凍空気調和機器施工
3-4-1 建具製作 木製建具手加工
3-5-1 建築大工 大工工事
3-6-1 型枠施工 型枠工事
3-7-1 鉄筋施工 鉄筋組立て
3-8-1 とび とび
3-9-1 石材施工 石材加工
3-9-2 石張り
3-10-1 タイル張り タイル張り
3-11-1 かわらぶき かわらぶき
3-12-1 左官 左官
3-13-1 配管 建築配管
3-13-2 プラント配管
3-14-1 熱絶縁施工 保温保冷工事
3-15-1 内装仕上げ施工 プラスチック系床仕上げ工事
3-15-2 カーペット系床仕上げ工事
3-15-3 鋼製下地工事
3-15-4 ボード仕上げ工事
3-15-5 カーテン工事
3-16-1 サッシ施工 ビル用サッシ施工
3-17-1 防水施工 シーリング防水工事
3-18-1 コンクリート圧送施工 コンクリート圧送工事
3-19-1 ウェルポイント施工 ウェルポイント工事
3-20-1 表装 壁装
3-21-1 建設機械施工● 押土・整地
3-21-2 積込み
3-21-3 掘削
3-21-4 締固め
3-22-1 築炉 築炉

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  • 4.食品製造関係(11職種19作業)
コード 職種 作業 職種特有の要件
4-1-1 缶詰巻締● 缶詰巻締
4-2-1 食鳥処理加工業● 食鳥処理加工 「食鳥処理の事業の規制及び食鳥検査に関する法律」に基づく
都道府県知事の許可証を有する事業所で行うこと
4-3-1 加熱性水産加工食品製造業● 節類製造
4-3-2 加熱乾製品製造
4-3-3 調味加工品製造
4-3-4 くん製品製造
4-4-1 非加熱性水産加工食品製造業● 塩蔵品製造
4-4-2 乾製品製造
4-4-3 発酵食品製造
4-4-4 調理加工品製造
4-4-5 生食用加工品製造
4-5-1 水産練り製品製造 かまぼこ製品製造
4-6-1 牛豚食肉処理加工業● 牛豚部分肉製造 食品衛生法に基づく食肉処理営業許可書を有する事業所の業態であること
4-6-2 牛豚精肉商品製造△ 食品衛生法に基づく食肉処理業または食肉販売業の営業許可を有する事業所の業態であること
4-7-1 ハム・ソーセージ・ベーコン製造 ハム・ソーセージ・ベーコン製造
4-8-1 パン製造 パン製造
4-9-1 そう菜製造業● そう菜加工 企業や事業主に食品衛生法に基づく営業許可の取得を求めるほか、
食品の大量調理を行うための厳密な設備要件などの要件を満たしていること
(そう菜製造業職種の審査基準を参照のこと)
4-10-1 農産物漬物製造業●△ 農産物漬物製造 漬物製造管理士2級以上の有資格者が在籍している実習実施者であること
4-11-1 医療・福祉施設給食製造●△ 医療・福祉施設給食製造 施設が健康増進法に基づく特定給食施設としての届出を行っている必要が
ある点を含め、いくつか特有の条件を満たしていること(医療・福祉施設給食
製造職種の審査基準を参照のこと)

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  • 5.繊維・衣服関係(13職種22作業)
コード 職種 作業 職種特有の要件
5-1-1 紡績運転● 前紡工程
5-1-2 精紡工程
5-1-3 巻糸工程
5-1-4 合ねん糸工程
5-2-1 織布運転● 準備工程
5-2-2 製織工程
5-2-3 仕上工程
5-3-1 染色 糸浸染
5-3-2 織物・ニット浸染
5-4-1 ニット製品製造 靴下製造
5-4-2 丸編みニット製造
5-5-1 たて編ニット生地製造● たて編ニット生地製造
5-6-1 婦人子供服製造 婦人子供既製服縫製
5-7-1 紳士服製造 紳士既製服製造
5-8-1 下着類製造● 下着類製造
5-9-1 寝具製作 寝具製作
5-10-1 カーペット製造●△ 織じゅうたん製造
5-10-2 タフテッドカーペット製造
5-10-3 ニードルパンチカーペット製造
5-11-1 帆布製品製造 帆布製品製造
5-12-1 布はく縫製 ワイシャツ製造
5-13-1 座席シート縫製● 自動車シート縫製

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  • 6.機械・金属関係(17職種34作業)
コード 職種 作業 職種特有の要件
6-1-1 鋳造 鋳鉄鋳物鋳造
6-1-2 非鉄金属鋳物鋳造
6-2-1 鍛造 ハンマ型鍛造
6-2-2 プレス型鍛造
6-3-1 ダイカスト ホットチャンバダイカスト
6-3-2 コールドチャンバダイカスト
6-4-1 機械加工 普通旋盤
6-4-2 フライス盤
6-4-3 数値制御旋盤
6-4-4 マシニングセンタ
6-5-1 金属プレス加工 金属プレス
6-6-1 鉄工 構造物鉄工
6-7-1 工場板金 機械板金
6-8-1 めっき 電気めっき
6-8-2 溶融亜鉛めっき
6-9-1 アルミニウム陽極酸化処理 陽極酸化処理
6-10-1 仕上げ 治工具仕上げ
6-10-2 金型仕上げ
6-10-3 機械組立仕上げ
6-11-1 機械検査 機械検査
6-12-1 機械保全 機械系保全 中長期にわたる保全計画書や保全部門のわかる組織図等を提示すること
6-13-1 電子機器組立て 電子機器組立て
6-14-1 電気機器組立て 回転電機組立て
6-14-2 変圧器組立て
6-14-3 配電盤・制御盤組立て
6-14-4 開閉制御器具組立て
6-14-5 回転電機巻線製作
6-15-1 プリント配線板製造 プリント配線板設計
6-15-2 プリント配線板製造
6-16-1 アルミニウム圧延・押出製品製造●△ 引抜加工
6-16-2 仕上げ
6-17-1 金属熱処理業● 全体熱処理作業 以下の①または②の要件を満たす必要がある。
①専業で金属熱処理を行っている事業所(日本標準産業分類の細分類2465に該当する事業所)
②事業の一部に金属熱処理の部署等があり、以下の両方の要件を満たす事業所
・金属熱処理に専属で従事している常勤職員が10名以上在籍していること
・金属熱処理技能士(特級又は1級)が1名以上勤務していること
6-17-2 表面熱処理(浸炭・浸炭窒化・窒化)
作業
6-17-3 部分熱処理(高周波熱処理・炎熱処理)
作業

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  • 7.その他(21職種38作業)
コード 職種 作業 職種特有の要件
7-1-1 家具製作 家具手加工
7-2-1 印刷 オフセット印刷
7-2-2 グラビア印刷●△
7-3-1 製本 製本
7-4-1 プラスチック成形 圧縮成形
7-4-2 射出成形
7-4-3 インフレーション成形
7-4-4 ブロー成形
7-5-1 強化プラスチック成形 手積み積層成形
7-6-1 塗装 建築塗装
7-6-2 金属塗装
7-6-3 鋼橋塗装
7-6-4 噴霧塗装
7-7-1 溶接● 手溶接
7-7-2 半自動溶接
7-8-1 工業包装 工業包装
7-9-1 紙器・段ボール箱製造 印刷箱打抜き
7-9-2 印刷箱製箱
7-9-3 貼箱製造
7-9-4 段ボール箱製造
7-10-1 陶磁器工業製品製造● 機械ろくろ成形
7-10-2 圧力鋳込み成形
7-10-3 パッド印刷
7-11-1 自動車整備● 自動車整備 道路運送車両法に基づき地方運輸局長から認証を受けた自動車特定整備事業場における作業で
なければならない点を含め、いくつか特有の要件を満たしていること(特定の職種及び作業に係る
技能実習制度運用要領-自動車整備職種の自動車整備作業の基準について-
を参照のこと)
7-12-1 ビルクリーニング ビルクリーニング 建築物における衛生的環境の確保に関する法律に掲げる登録業種のうち、第1号の「建築物清掃業」
又は第8号「建築物環境衛生総合管理業」の登録を受けていること
7-13-1 介護● 介護 監理団体、企業・事業主に専門知識と技術を有する者の在籍が求められる点を含め、いくつか特有の
条件を満たすこと(特定の職種及び作業に係る技能実習制度運用要領-介護職種の基準について- を参照のこと)
7-14-1 リネンサプライ●△ リネンサプライ仕上げ ホテルリネン関係であれば(一社)日本リネンサプライ協会が定める「リネンサプライ業に係わる洗濯施設
及び設備に関する衛生基準」、病院寝具関係であれば(一財)医療関連サービス振興会が定める「寝具類
洗濯業務に関する基準(認定基準)」の認定を受けた施設であること
7-15-1 コンクリート製品製造● コンクリート製品製造
7-16-1 宿泊●△ 接客・衛生管理 下記の①~②のすべての条件を満たす宿泊施設における作業であること
① 旅館業法に定める旅館・ホテル営業の許可を得て、専ら客と対面して接遇を行う
(店舗型性風俗特殊営業に関する施設は除く)こと
② 食品衛生法に基づく営業許可を得ていること
7-17-1 RPF製造● RPF製造 下記の①~④のすべての要件を満たすこと。
① JIS規格(JISZ7311:2010認証)を受けている工場または300トン/月以上の生産能力を有する工場である。
② 安全管理者(常時50人以上の労働者を使用する工場)または
安全衛生推進者(常時50人未満の労働者を使用する工場)を選任している。
③ 安全衛生委員会を設置し、毎月1回以上開催するとともに、議事の概要を労働者に周知している。
④ 日本RPF工業会が定めるひな型に準じた安全衛生規定を制定している。
(審査基準-作業の定義より)
7-18-1 鉄道施設保守整備● 軌道保守整備
7-19-1 ゴム製品製造●△ 成形加工
7-19-2 押出し加工
7-19-3 混練り圧延加工
7-19-4 複合積層加工
7-20-1 鉄道車両整備● 走行装置検修・解ぎ装
7-20-2 空気装置検修・解ぎ装
7-21-1 木材加工●△ 機械製材作業 技能実習生を受け入れる事業所が、「農林水産業・食品産業の作業安全のための規範(個別規範:木材産業)事業者向け」に基づく
取組が行われていることについて、一般社団法人全国木材組合連合会の確認を受けた者であること。

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  • 社内検定型(2職種4作業)
コード 職種 作業
99-1-1 空港グランドハンドリング● 航空機地上支援
99-1-2 航空貨物取扱
99-1-3 客室清掃△
99-2-1 ボイラーメンテナンス●△ ボイラーメンテナンス

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  • ※1●の職種:技能実習評価試験に係る職種
  • ※2△の職種:第2号技能実習(最大3年間)まで実習可能 (△のない職種・作業は3号まで可能)
  • ※3職種特有の要件の記載がない職種についても、審査基準に必ず目を通し、要件を満たせることを確認してください。

移行対象職種を新規に追加しようと検討する場合は、業界団体が主導して業界内の合意を形成し、海外の実習ニーズの把握、業所管庁への相談等を行った上で、OTITに申請を提出する必要があります。
なお、JITCOは新規の職種追加にかかる申請の窓口ではありませんが、追加に向けた助言の提供を支援サービスの一環として継続して行っております。

5各業務における時間の割合

技能実習生が移行対象職種に従事する場合、業務時間の割合に要件が設けられています。すなわち必須業務の時間数が年間の実習時間全体の半分以上であること、関連業務は反対に年間の半分以下、周辺業務は3分の1以下である必要があります。
また、必須業務・関連業務・周辺業務それぞれにおいて、「安全衛生業務」を設定する必要があり、時間数としては業務毎に全体の10%以上を占めていることが要件となります。

前述した手溶接作業であれば、必須業務中の「(2)安全衛生業務」を100時間以上、反対に、「(1)手溶接作業①②③…」とある安全衛生を除いた業務は900時間以内におさえないと、安全衛生業務が確保できていないことになります。

関連業務・周辺業務も同様であり、関連業務が600時間の場合はそのうちの60時間以上、周辺業務が400時間の場合はそのうちの40時間以上を安全衛生業務が占めていることが、要件として必要になります(ともに600、400時間の10%以上)。

6第1号技能実習(1年以内の技能実習)のみの場合

上記の移行対象職種・作業に該当しなくても、同一作業の反復のみで修得できるものでなく、また、制度の目的である開発途上地域等への技能移転や経済発展に寄与する技能であれば、技能実習1号の在留資格にて1年以内の技能実習が認められる場合があります。第1号技能実習のみ認められる技能は、移行対象職種とは異なるため、審査基準にあたる資料や職種の一覧はありません。
なお、第1号技能実習のみ認められる技能の修得等をさせる場合は、写真付きの工程表(フローチャート)の提出が義務づけられているほか、移行対象職種・作業の場合と同じく、安全衛生にかかる業務についても、同様に行う必要があります。また、この場合、基礎級への合格を目標としなければならないわけではなく、修得をさせる技能等を要する具体的な業務ができるようになること及び当該技能等に関する知識の修得を内容とするものであって、かつ技能実習の期間に照らし適切な目標を定めることも可能です(運用要領)。

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