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ニュース・お知らせ

送出機関の状況について

 技能実習等における認定送出機関数はコロナ禍にもかかわらず増加の一途を遂げ、10月現在で主要送出国16ヶ国で合計2,000を超えています。しかしながら、個別の送出機関の経営及び待機技能実習生等(特定技能外国人候補者を含む)の候補者の具体的な状況については確たる情報が無いのが現実です。

 そこで、JITCOでは日本の出入国制限緩和を展望しながら、本年9月より主要送出国6ヶ国(ベトナム、中国、インドネシア、フィリピン、タイ、カンボジア)の主要送出機関に対して、母国語で送出機関の現況について調査を行なってきました。送出国によって状況は多少異なりますが、調査を通じて、2021年1月以降の長期にわたる入国制限によって以下のような影響があることがわかりました。

●送出機関の経営に大きな打撃があること(倒産した送出機関も少なからずある)
●技能実習生等の候補者への事前教育は多くの場合オンラインを通じて実施し、教育の維持に努めてきたこと
●待機技能実習生等候補者は多数抱えているものの、募集、事前講習進捗についてはかなり停滞しており、待機中の技能実習生等候補者の訪日後、第二陣の育成には時間を要しそうなこと 等

 また、我が国の出入国制限が緩和された際の対処として次のこともわかってきました。

●送出国政府による手続きについては特に問題なさそうであること(但し、対象者が一気に集中して目詰まりが生じ遅延が発生する可能性はあります)
●他方、ワクチン接種は進んでいるものの、日本で認めうる有効なワクチン接種証明書を持つ者はさほど多くない可能性があること 等

 こうした状況をもとにして、JITCOとしては、監理団体等の皆様へ以下のご留意点を参考までにご連絡します。(これらの留意点が絶対的な方法ではなく、監理団体の皆様においてその他の方法も合わせて検討いただき、慎重な対応をお願いします。)

 1.送出機関の経営への影響について
 2021年1月以降、皆様が引続き定期的に連絡をとり続けていた送出機関については、経営が苦しいながらも事業を継続してきたと推測されます。
 なお、同時期以降、担当者との連絡は疎遠であったが、久しぶりに連絡して応答があった送出機関については、携帯電話の応答があっただけで、その送出機関に問題が無いと判断するのではなく、その送出機関の固定電話に連絡して応答があるのか(但し在宅勤務でオフィス出勤者の数が限られている可能性もあります)、その送出機関の一人だけではなく複数名と連絡が取れるのか等、慎重に確認することをお勧めいたします。
 さらに、1月以降連絡しておらず久しぶりに担当者に連絡したが、応答がない送出機関については、担当者が変わっている可能性もありますので、送出機関の固定電話に連絡をとってみて下さい。それでも、連絡が取れず送出機関の変更等をご検討なさる場合は、JITCOから送出し支援サービス(下記にご案内)を通じて新たな送出機関をご紹介することが可能です。

 2.技能実習生等候補者への教育について
 既に在留資格認定証明書を得て日本行き待機状態にある技能実習生等の候補者について、送出機関に連絡して、2021年1月以降どのような方法を用いて技能実習生等候補者の日本語や技能の水準を維持してきたかをご確認下さい。送出機関のよくある回答は、オンラインを通じて維持を図ったというものです。但し、オンラインによる教育は効率が落ちるので、能力が低下している可能性があります。もっと具体的にどのような工夫をして能力維持を図ったのか追加質問してどのような回答が返ってくるのかを見極めることも一つの方法です。また、いま一度その技能実習生等候補者とオンラインで面接して能力維持が図られているかどうか、直に確認することをお勧めします。

 3.往来再開後のビジネス環境について
 上記の他、調査を通じて気づいたこととして、以下のような留意点についてもご案内します。

●日本への送出し獲得に向けて、送出機関の競争激化が予想されます。皆様ご高承の通り、送出し管理費を安くする送出機関は、ともすればその金銭的なしわ寄せを技能実習生等の候補者へ回すことがあります。その場合、コロナ禍で経済的に苦しくなっている技能実習生等候補者の金銭状況が更に苦しくなり、引いては日本での活動に悪影響を及ぼす可能性があります。日本側でも、このような悪循環に至らないように、慎重に対処していただきますようお願いします。
●日本側の受入れが集中して出国手続きが一気に開始する場合、目詰まりが生じて送出し国側の手続が遅延する可能性があり、充分な時間的な余裕をもたれること(またそのことを予め受入機関等へご説明なさること)をお勧めします。
●日本のコロナ感染状況に不安を感じている候補者もいます(2021年1月以降の辞退者も相当数います)ので、日本におけるコロナの状況や対策について丁寧に説明するとよいでしょう。
調査の概要については、参考情報として賛助会員の皆様へ公開しています。
賛助会員用ページの最下部にある「8 調査・統計」内の<各国ごとの送出機関への調査結果について>をご参照ください。

 JITCOの送出し支援サービス/送出機関情報提供サービス
 JITCOでは、送出機関データベースをもとにして、平素より送出機関の情報を提供しています。コロナ禍により送出機関の経営がかなり影響を受けているため、残念ながら問題がないとは100%確証することはできませんが、ご希望があれば現時点で連絡がつく大手の送出機関について皆様へ紹介することができます。

 JITCOホームページにおいて、技能実習制度または特定技能制度→ 送出国・送出機関とは→ 送出機関情報提供サービスとクリックしていくと、そこで情報提供のお申込み手続をご案内しています。以下のリンクからもお手続きいただけます。

送出機関情報サービス(技能実習制度)お申込手続き
送出機関情報サービス(特定技能)お申込手続き

 JITCOとしましては、引き続き送出国事情や、送出機関の状況について調査を進め、皆様の業務にご貢献できるように、送出し支援サービスを継続していきます。

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