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外国人研修生日本語教育実態調査結果報告

調査対象:第一次受入れ機関

ページ内目次
  1. はじめに
    1. 調査の趣旨等
    2. 調査対象
    3. 調査手法
  2. 調査結果
    1. 調査表の回収結果
    2. 調査の結果
      (1)調査対象機関の属性
      (2)研修生の日本派遣前の日本語教育の状況
      (3)送出し機関と外国人研修事業に関する協定書を取り交わす際の状況
      (4)集合研修での日本語教育の状況
      (5)各段階における日本語の達成レベル
      (6)集合研修修了後の日本語教育の状況
      (7)日本語教育の実施上の問題点
      (8)JITCOが取り組んでいる日本語能力向上のための活動

I.はじめに

  1. 調査の趣旨等
    第一次受入れ機関(以下「第一次機関」という)の外国人研修生の日本語教育を巡る実態を把握し、の今後の業務に役立てるための基礎資料を得ることを目的に、平JITCO成17年9月1日現在で本調査を実施した。
  2. 調査対象
    平成17年8月末日時点において、過去2年間に研修から技能実習に移行の申請を行った外国人研修生を有する賛助会員である団体監理型の第一次機関を調査対象JITCOとした。その結果、807カ所の第一次機関が調査対象となった。
  3. 調査手法
    調査表の郵送による通信調査。

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II.調査結果

  1. 調査表の回収結果
    調査対象カ所の第一次機関のうち、カ所から回答があり、回答率はで80752665.2%あった。
  2. 調査の結果

    (1)調査対象機関の属性

    1. 第一次機関の構成
      526カ所の第一次機関の構成をみると、業種が1種類の業種で構成される「単一業種の第一次機関」が、複数の業種で構成される「異業種の第一次機関」が53.0%、複数の業種で構成される「異業種の第一次機関」が44.5%、と「単一の第一次機関」が異業種の第一次機関を8.5ポイント上回った。
    2. 傘下(加入)企業数
      回答のあった512カ所の第一次機関当たりの平均傘下企業数は、157.2企業であった。その規模別の内訳をみると、傘下企業社未満の比較的小規模の受入れ機関が61.1%と大多数を占めた。しかし、100〜300社未満の数の傘下企業で構成される第一次機関が8.2%、300社以上の傘下企業で構成される第一次機関も9.2%あった。このように、二極分化の傾向がみられ、これが平均傘下企業数を上げる結果となった。
    3. これまで研修生を受け入れている傘下(加入)企業数
      回答のあった508カ所の第一次機関当たり、研修生を受入れている傘下企業数の平均は16.1社であった。その規模別の内訳をみると、傘下(加入)企業が30社未満の機関が82.7%を占めた。
    4. 傘下(加入)企業の所在
      526カ所の第一次機関の傘下企業の所在については、傘下企業の所在が同一県内のみの「単一県内」が71.1%、傘下企業の所在が複数の県にわたる「複数県が25.9%であり、「単一県内」が約7割を占めた。
      また「複数県」と回答した136カ所の第一次機関当たりの平均県数は、7.9県で、あった。
    5. 研修生の受入れ開始年
      526カ所の第一次機関のうち、2000年以降に研修生の受入れを開始した第一次機関がを58.7%占め、約6割の第一次機関が2000年以降に研修生の受入れを開始している。
    6. これまで受け入れた研修生の延べ人数
      回答のあった508カ所の第一次機関のうち、これまで受け入れた研修生数の平均は296.4人であった。
    7. 現在受け入れている研修生の人数
      回答のあった514カ所の第一次機関のうち、現在受け入れている研修生の平均人数は50.7人であった。
    8. 研修生の国籍
      526カ所の第一次機関が「(現在)受け入れている」又は「(これまで)受け入れた」研修生の国籍は多い順に、中国が86.1%、ベトナムが9.3%、フィリピンが7.4%、インドネシアが5.1%、次いでタイが1.9%であった。
    9. 研修生が実務研修を受けている企業の主な産業分類
      526カ所の第一次機関の産業分類に関し、10%以上の比率を占めた産業は以下のとおりであるが、繊維工業・繊維製品製造業が高い。
      繊維工業・繊維製品製造業 44.5%
      食料品・たばこ製造業 19.4
      金属製品製造業 16.9
      その他の製造業 12.2
      建設業 11.8
      農業 10.5
      電気機械器具製造業 10.5
      (注)複数回答(以下「MA」という)としたため、合計は100%とならない。
    10. 研修生が実務研修を受けている主な作業
      526カ所の第一次機関の作業に関し、5%以上の比率を占めた作業は以下のとおりであるが、婦人子供既製服製造作業が高い。
      婦人子供既製服製造作業36.5%
      電子機器組立て作業9.1
      射出成形作業(プラスチック成形職種)9.1
      金属プレス作業7.8
      普通旋盤作業7.0
      紳士既製服製造作業6.8
      塩蔵品製造(非加熱性水産加工食品製造業職種)5.1
      (注)MAとしたため、合計は100%とならない。

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    (2)研修生の日本派遣前の日本語教育の状況

    1. 日本語研修の問題点
      研修生の出身国の送出し機関が研修生を対象に行っている派遣前の日本語教育の問題の有無について、回答のあった526カ所の第一次機関のうち(以下、特に言及の無い場合、回答数は526である)、「問題がある」と回答した第一次機関は41.8%、「問題はない」と回答した第一次機関は56.3%であり「問題はない」とした第一次機関の方が約15ポイント上回った(第1図)。

      第一図 日本語研修の問題点

      なお「問題がある」と回答した296カ所の第一次機関のうち、問題の具体的な内容は「現地人日本語教師のレベルに格差がある」と回答したものが42.3%、「同一国の研修生でも送出し機関により教育方法などにばらつきがあるがある」が40.5%、次いで「日本人の日本語教師から日本語教育を受けていない」が40.0%と、これらの3点が圧倒的上位を占めた。一方「送出し機関が『研修生派遣前日本語教育ガイドライン』に沿った研修を行っていない」は7.3%、「研修生が日本語教育を殆ど受けていないケースがある」と回答した第一次機関は3.6%であり、各送出し機関はほぼJITCOのガイドラインに沿った派遣前研修を行っていることが明らかになった(第2図)。

      第2図 日本語研修時の問題点の内容

    2. 問題点に対する対応策
      上記①において「問題がある」と回答した220カ所の第一次機関のうち、その問題を改善・解決するため、「対策を取った」第一次機関は88.6%、「対策をとっていない」第一次機関は9.1%であり、約9割の第一次機関は何らかの対策を取っている(第3図)。

      第3図 問題点に対する対応策

      「対策を取った」195カ所の第一次機関が取った対策の具体的な内容は「送出し、機関に改善・解決策を提示するように求めた」が55.4%、「当機関が考えた改善・解決策を提示し、送出し機関に実施を求めた」が49.7%であり、送出し機関及び受入れ機関の双方で解決のための努力をしている。また「送出し機関を変更した」ものも11.8%みられた(第4図)。

      第4図 問題点に対する対応策の内容(3)送出し機関と外国人研修事業に関する協定書を取り交わす際の状況

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    (3)送出し機関と外国人研修事業に関する協定書を取り交わす際の状況

    1. 送出し機関の決定方法
      第一次機関の送出し機関を決定する際の方法については「同業種の団体などから、の情報に基づいて決定した」が47.5%「JITCOから得た情報に基づいて決定した」が33.3%、次いで「その他」が23.4%であった(第5図)。
      なお「その他」は123カ所の第一次機関が回答したが、その回答の具体的な内容、回答は様々なものであったが「海外に進出した現地法人の紹介」、「(我が国内の)自治体の紹介」「(外国の)自治体の紹介」等の回答が比較的多くみられた。

      第5図 送出し機関の決定方法

    2. 協定書取り交わしの際の日本語教育について協議・検討
      協定書を取り交わす際日本語教育について協議・検討するか否かについては、「協議・検討している」と回答した機関が80.0%、「協議・検討していない」は19.0%であり、第一次機関は、送出し機関が実施する日本語教育に強い関心を有していることが明らかになった(第6図)。

      第6図 日本語教育についての協議・検討

      上記②で「協議・検討している」と回答した421カ所の第一次機関のうちの具体的協議の内容は「日本語教育の時間数」が59.4%、「来日までの日本語能力の到達目標」が57.7%とそれぞれ過半数を超え、次いで「日本語教育のカリキュラム」が44.7%、「日本語教育の教材」が43.2%と高い回答率を示した(第7図)。

      第7図 協議・検討の内容

      なお「日本語教育の時間数」と回答した250カ所の第一次機関の平均日本語教育、の実時間数は335.8時間であった。その分布をみると、250時間未満が33.6%、次いで「250〜500時間未満」が33.2%とそれぞれ1/3ずつを占めた(第8図)。

      第8図日本語教育の時間数さらに「協議・検討していない」と回答したカ所の第一次機関について、そ

      さらに「協議・検討していない」と回答した100カ所の第一次機関について、その理由を問うと、84.0%と圧倒的に「送出し機関が既にノウハウを持っているので協議の必要がない」との回答であった(第9図)。

      第9図 協議・検討していない理由

    3. 研修生選抜の際の判断要素
      第一次機関が、研修生を選抜する際の判断要素としてどのようなことを行っているかについては「研修予定者と面接を行い日本語能力等を確認している」が73.4%、「研修予定者に実技試験を実施している」が60.8%、「研修予定者に計算等の試験を実施している」が40.9%と、いずれも高い回答率を示した。なお「研修予定者の家庭を訪問し、家族と面接している」とより踏み込んだ面接を実施している第一次機関は15.8%に止まった(第10図)。

      研修生選抜の際の判断要素

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    (4)集合研修での日本語教育の状況

    1. 第一次機関が実施する日本語教育の時間数
      日本語教育の時間数は「日常会話」が83.2時間(48.0%)と半数を占め、次いで、「日本での生活に必要な用語」が36.7時間(21,2%)、「技術・専門用語」が24.8時間(14.3%)、「労働安全衛生用語」が17.5時間(10.1%)であり、方言は時間2.1時間(1.2%)にすぎず、その合計は173.4時間であった(第1表)。
      コミュニケーションに必要な「日常会話」と「日本での生活に必要な用語」が7割を占めるが、第一次機関は集合研修終了後、直ちに開始される実務研修に支障がないよう「技術・専門用語」及び「労働安全衛生用語」にも配慮していることが分かる。

      第1表 日本語教育の時間数

      項目 時間(構成比;%)
      日常会話(読み・書きを含む)
      日本での生活に必要な用語(交通ルール等)
      技術・専門用語
      労働安全衛生用語
      方言
      その他
      83.2 (48.0)
      36.7 (21.2)
      24.8 (14.3)
      17.5 (10.1)
      2.1 (1.2)
      9.6 (5.5)
      173.4(100.0)
      注)集計時の四捨五入等の関係で、各項目を合計しても「計」に一致しない。
    2. 第一次機関の実施する集合研修における日本語教育の教師
      第一次機関が実施する集合研修における日本語教育の教師は誰かとの問いに対しては「当機関又は傘下企業社員(海外勤務経験なし)」が31.4%、「当機関又は傘下企業社員(海外勤務経験あり)」が27.0%であり、次いで「外部委託した日本語専門機関の教師」が30.6%「地域のボランティア」が15.2%であり、ボランティアの協力度も高い。
      またその他も34.0%占めたがその具体的内容は「元中学・高校の教師通訳」、「日本人と結婚した中国人」等であった(第11図)。

      第11図 日本語教育の教師

      また「外部委託した日本語専門機関の教師」と回答した161カ所の第一次機関に「委託先の選定方法」を尋ねたところ「その他」が40.4%と最も多く、次いで「他の団体から聞いた」34.8%「JITCOの情報」20.5%となった(第12図)。
      「その他」は65カ所の第一次機関が回答したが、その具体的内容をみると実に様々な回答であったが「自治体」、「国際交流協会」、「送出し機関の紹介」及び「近隣の日本語学校の売り込み」等がみられた。

      第12図 委託先の選択方法

      さらに、「外部委託した日本語専門機関の教師」と回答した161カ所の第一次機関に「日本語教師の指導方法や研修結果に満足しているか」との尋ねたところ、殆どの第一次機関は「満足している(89.4%)と回答しており「満足していない」は6.8%であった(第13図)。

      第13図 外部委託した日本語教師の満足度

      また「外部委託した日本語教師の指導法や研修結果に)満足していない」と回答した11カ所の第一次機関にその理由を尋ねると、過半数のが「研修生の日本語の進歩が遅い」ことに次いで27.3%が「指導方法が良くない」ことに18.2%が「教師として経験が足りない」ことに不満をもっている(第14図)。

      満足していない理由

    3. 教材の利用について
      JITCOの開発した日本語教材を利用しているか否かについての設問に関しては、77.0%が「利用している」と回答し「利用していない」の22.8%を大幅に上回り、約8割の第一次機関は何らかのJITCO教材を利用している(第15図)。

      第15図 JITCO日本語教材の利用状況

      さらに「利用している」と回答した405カ所の第一次機関がどのようなJITCO教材を利用しているかを尋ねたところ「外国人研修生のための日本語」を利用しているところが67.7%、「外国人研修における日本語指導のガイドライン」を利用しているところが47.9%であった。なお「専門用語対訳集」を利用しているところも31.4%あった(第16図)。

      第16図 具体的な教材名

      なお、120カ所の第一次機関が「JITCOの開発した教材を)利用していない」と(回答したが、その理由は「JITCO以外の教材を利用しているから」(76.7%)とのことであった(第17図)。

      第17図 利用していない理由④日本語教材への満足度

    4. 日本語教材への満足度
      (JITCOの開発したもの以外も含む)日本語教材に満足しているかとの設問に対しては、79.7%が「満足している」との回答であり、日本語の教材に対する満足度は高いことが分かった(第18図)。

      第18図 日本語教材への満足度

      なお「満足していない」との回答も16.5%みられたが(87カ所の第一次機関)、このように回答した第一次機関にどのような教材の開発を望むか自由記述方式で尋ねたところ「職種別研修テキストの充実」、「専門用語対訳集の充実」、「テキスト類の中国語以外の言語への翻訳(ベトナム語、インドネシア語、モンゴル語及びベンガル語(バングラデッシュで使用されている言語)及び「カード・ビデオ・DVD等の開発」等についての要望がみられた。
      ⑤日本語通訳の配置の状況
      日本語通訳の配置について尋ねたところ、「常勤の通訳のみを配置している」の回答が25.7%、「非常勤の通訳のみを配置している」の回答が35.0%、「常勤と非常勤の通訳双方を配置している」のところが14.1%であり「通訳は配置していない」と回答したところは25.3%であった。このことから、約3/4の第一次機関は通訳を配置し3/4ていることが判明した(第19図)。
      また「常勤の通訳を配置している」ところの常勤の通訳の平均人数は1.81名、「非常勤の通訳を配置している」ところの非常勤の通訳の平均人数は1.63名であった。

      第19図 日本語通訳の配置状況

      さらに、何らかのかたちで「通訳を配置している」と回答した第一次機関における通訳の国籍については「外国人」が74.6%、「日本国籍を有する外国生まれの人」が18.3%、「日本人」が29.3%であり、約7割が「外国語が母国語の人」であった(第20図)。

      第20図 通訳の国籍

      なお、常勤の通訳は通訳以外にどのようなことを行っているかをたずねたところ、回答のあった209カ所の第一次機関のうち、70.3%が「研修生等のケア」、60.3%が「送出し機関との連絡」とこの二つの業務に従事している割合が高く、次いで「生活指導員を兼ねている」(34.4%)、「研修及び生活指導員の双方を兼ねている」(33.5%)、「研修指導員を兼ねている(22.5%)との回答であった(第21図)。

      第21図 通訳以外に兼務している仕事

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    (5)各段階における日本語の達成レベル

    研修生の日本語の達成レベルを、第一次機関はどのように評価しているか以下の要素により分析した。
    1. 研修生の日本語の能力を「聞く」、「話す」、「読む」及び「書く」の4分野に分類。
    2. 評価は「1殆どできない」、「2少しできる」、「3ある程度できる」、「4かなりできる」及び「5とても良くできる」の5段階に分類。
      なお、集計に当たっては、各段階に番号と同じウエイトを付した。
    3. 評価の時点は、日本入国後の重要なポイントとなる「集合研修開始時」(研修生が日本に入国した直後に実施する集合研修の開始時点)、「集合研修終了時」(本調査では集合研修における約時間の日本語研修の終了時点(詳細は8ペ173ージ参照のこと))及び「技能実習移行時」(研修生が日本入国してから1年後に研修から技能実習に移行する時点)の3時点に分類。
      その結果集合研修開始時における「聞く」等の各分野の能力(平均点)は、2.0〜2.3と2点台(「少しできる」)の前半に集中していたが「集合研修終了時」においては2.8〜2.9と2点台の後半に改善された。
      さらに「技能実習移行時」においては、各能力とも3.2〜3.5と3点台(「ある程度できる」)とかなり改善されている。
      また、これを各能力の「集合研修開始時」を100とした指数でみると、「集合研修終了時」で127〜140、「技能実習移行時」143〜170なった。
      特に「聞く」及び「話す」能力の方が「読む」及び「書く」能力より高い評価を得ていることが注目される。これは、「聞く」及び「話す」ことが「読む」及び「書くより研修生の研修内容や実生活に密着している証左であるものと推定される(第2表)。

      第2表 日本語の達成レベルの評価

      時点 聞く 話す 読む 書く
      集合研修開始時
      集合研修終了時
      技能実習移行時
      2.1 (100)
      2.8 (133)
      3.5 (167)
      2.0 (100)
      2.8 (140)
      3.4 (170)
      2.3 (100)
      2.9 (126)
      3.3 (143)
      2.2 (100)
      2.8 (127)
      3.2 (145)
    また、各時点における「聞く」「話す」「読む」及び「書く」の能力評価の分布は以下のとおりである。
    1. 「集合研修開始時」において、各能力とも「殆どできない」が15%程度、「少しできる」が60%程度、「ある程度できる」が20%前後であった。
    2. 「集合研修終了時」では「殆どできない」が激減して1%程となり、「少しできる」が30%程度と半減し、「ある程度できる」が50%台になる等、大幅な改善がみられた。
      さらに「かなりできる」が10%台となり、1%台とわずかではあるが「とても良くできる」との評価も出現した。このことから、研修生の日本語能力の改善に関し「集合研修」がいかに重要であるか理解できよう。
    3. 「技能実習移行時」においては「殆どできない」及び「少しできる」はほぼ無くなり「ある程度できる」が50%前後となり、「かなりできる」も30%台となり、「とてもよくできる」も3%と全ての面での評価が高まり、各グラフとも右側にシフトしていることが分かる。
    4. また「技能実習移行」時点における各能力別の「かなりできる」の状況を、みると「聞く」が46.6%と最も高い評価を得た。次いで「話す」(37.1%)と「読む」(35.2%)はほぼ同レベルであった。しかし、「書く」は28.5%と最も低く、「書く」ことの困難さを反映ている。
      以上を総括すると、これらの結果は、1年間の研修期間内に、研修生が日本語をいかに熱心に習得したかを如実に表したものであると考えられる(第22図〜25図)。

      第22図〜25図

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    (6)集合研修修了後の日本語教育の状況

    1. 集合研修修了後の日本語教育の実施について第一次機関は、集合研修修了後にも追加して日本語教育を「行っている」ところが60.1%、「行っていない」ところが39.4%と、全体の6割が追加して日本語教育を実施している(第26図)。

      第26図 集合研修終了後の日本語教育実施状況

      上記に関連し「行っている」と回答した316カ所の第一次機関が追加して実施している教育方法は、「集団研修方式」が37.0%、「課題を与えて個別の研修指導をする方法」いわゆる宿題形式が30.4%、「両者を混合した方式」が19.6%であった(第27図。)

      第27図 教育方法

      さらに、その研修内容については「会話が中心」が67.1%と「会話」が圧倒的であり、次いで「書くことが中心」が25.9%、「読むことが中心」が24.1%であり、「会話力を高める」努力をしていることが明らかになった(第28図)。

      第28図 研修内容

    2. 技能検定基礎2級等の受験時の対策実施研修生は技能実習に移項する前に技能検定基礎2級又はJITCO認定評価システム初級を取得する必要があるが、その試験の受験前に72.6%の第一次機関が「受験対(策のための日本語教育を)実施している」が、一方、26.8%の第一次機関は「受験(対策のための日本語教育を)実施していない」と回答し、3/4の第一次機関は研修生の日本語能力を高めるため、何らかの受験対策を実施している(第29図)。

      第29図 技能検定受検時の対策

      上記②で「実施している」と回答した382カ所の第一次機関の具体的内容は。「実技で使用する日本語(専門用語など)の補習授業を行っている」が70.2%、「事前に試験のシミュレーションを行い、雰囲気に慣れさせている」が61.0%とこの二つが圧倒的多数を占め、次いで「日本語の補習授業を行っている」が33.8%であった(第30図)。

      第30図 受験対策の内容

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    (7)日本語教育の実施上の問題点

    1. 集合研修における日本語教育の問題点集合研修で日本語の教育を実施する上で、問題が生じたことが「ある」と回答した第一次機関は67.3%、「ない」と回答したところは31.9%であり、2/3の第一次機関が実施する集合研修では、何らかの問題を抱えている(第31図)。

      第31図 集合研修における日本語教育の問題点

      集合研修を実施する上で問題が「ある」と回答した354カ所の第一次機関のうち、問題の具体的内容は、「研修生の日本語のレベルのバラツキが大きい」が80.2%、「研修生同士で母国語を使用してしまう」が70.6%とこの二つの問題に集約され、「研修生が通訳を過度に頼ってしまう」は28.8%であった(第32図)。

      第32図 問題の具体的内容

    2. 日本語に起因する実務研修実施上の問題点
      研修生の日本語が不十分であることに起因する実務研修実施上の問題については、企業の担当者や経営者から「問題などを聞いている」と回答した第一次機関が66.0%、「問題などを聞いていない」としたところが33.3%であった(第33図)。

      第33図 日本語に起因する実務研修実施上の問題点

      「問題などを聞いている」と回答した347カ所の第一次機関が聞いた問題点は、「日本人社員とのコミュニケーションができない」が61.7%と群を抜いて高かった。このことは、研修生の未だ十分でない日本語能力が隘路となっているものと考えられる。さらに「報告・連絡・相談などが行われない」37.5%が「社内の約束事や取決めが守れない」が36.0%、「技術・技能の移転が思うように進まない」が35.7%と、これらの3点も比較的多い問題点であった(第34図)。

      第34図 主な問題点

    3. 日常生活上の問題点
      研修生の日本語が不十分であることに起因する日常生活上のトラブルに関し、企業の担当者や経営者から「問題などを聞いている」と回答した機関が54.6%、「問題などを聞いていない」機関は45.4%であり、「問題などを聞いている」方が9.2ポイント上回った(第35図)。

      第35図 日常生活上の問題点

      「問題などを聞いている」と回答した287カ所の第一次機関が聞いた具体的問題点は、「ホームシック」が65.9%と群を抜いて高く、次いで「同国人研修生同士のいざこざやいじめ」が32.4%、「日本人社員とのいざこざ」が28.6%、「ケガ・精神面(ノイローゼ等)のトラブル」が23.0%であった。なお「地域住民とのいざこざは」7.3%であった(第36図)。

      第36図 具体的な問題点

    4. 日常生活上のトラブル防止策
      さらに「問題などを聞いている」と回答した287カ所の第一次機関のうち、日常生活上のトラブル防止又は解決のための対策を「講じている」ところが97.9%であり、ほぼ全ての第一次機関又は企業は何らかの対策を講じている(第37図)。

      第37図 日常生活上のトラブル防止策

      上記の設問に関連して、281カ所の第一次機関又は企業が「講じている」対策の具体的内容は「研修指導員等の電話番号等を知らせておき、社外で問題が生じた際の、連絡体制を整えている」が75.1%、「地域のお祭り等に積極的に参加し、地域住民との交流を図っている」が59.4%「社内で積極的にレクレーション活動を実施し、日本人従業員や他国人研修生との交流を図っている」が58.0%であった(第38図)。

      第38図 具体的な対策

    5. 研修生の不満など
      研修生の日本語が不十分なことに起因する研修生からの不満に関し、企業担当者や経営者から「不満を聞いている」機関は44.7%であり、「不満は聞いていない」の53.2%を8.5ポイント下回った(第39図)。

      研修生の不満

      「不満を聞いている」と回答した235カ所の第一次機関が指摘した不満の具体的内容は、「病気の際、日本語で症状などが伝えられない」が61.3%及び「ゴミ出しのルールを説明してもよく理解できない」が43.0%とこれらの2点の問題点がかなり高く、次いでホームシックやカルチャーショックになっても相談できない」が22.6%、「外国語のできる社員が少ない」が19.6%であった(第40図)。

      第40図 具体的な不満の内容

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    (8)が取り組んでいる日本語能力向上のための活動

    1. 日本語作文コンクール第一次機関が把握している限り、傘下の企業は日本語作文コンクールに「応募していない」が74.0%と「応募している」の13.7%を大幅に上回った。また「応募しているかどうか把握していない」もみられた(第41図)。

      第41図 日本語作文コンクール

      「応募していない」と回答した389カ所の第一次機関が回答した「理由」は、「研修生が応募しない」が49.1%、「研修生の日本語が上達していない」が34.7%、「企業のコンクールに対する関心が低い」が30.1%であった(第42図)。

      第42図 応募していない理由

    2. 中小企業日本語教育支援助成金制度
      本助成金制度を「(現在)活用している」と回答した第一次機関は7.6%、「以前活用したことがある」と回答したところは3.8%であったが、一方「活用したことがない」ところは87.1%であった。本助成金を「活用している」及び「以前活用したことがある」第一次機関は約1割に過ぎなかった(第43図)。

      中小企業日本語教育支援助成金制度

      「活用したことがない」(458カ所の第一次機関)及び「以前活用したことがある」(20カ所の第一次機関)の理由は、「当機関では自前の日本語教師がいるので、外部委託する必要がない」が41.0%と活用する必要がないケースが最も多かった。次いで「この助成金制度を知らない」が32.8%、「手続きが煩雑」が14.6%、「近くに利用できる日本語教育機関がない」が12.6%、「助成額が少なすぎる」が10.9%との回答であった(第44図)。

      第44図 活用したことがない理由

    3. 日本語指導セミナー
      本セミナーに参加したことがあると回答した第一次機関は35.9%であり、一方「参加したことがない」との回答したところは37.1%であった。しかし、「将来参加したい」との回答も25.9%みられた(第45図)。

      第45図 日本語指導セミナー

      本セミナーに「参加したことがない」と回答した第一次機関は195カ所あったが、その理由は「参加できる地域で開催されたことがない」50.3%、次いで「このセミナーを実施していることを知らない」が21.0%であった(第46図)。

      第46図 参加したことがない理由

    4. 日本語検定試験
      本試験について、第一次機関及び傘下企業はその受験を奨励しているか否かの設問に対して、「受験を奨励していない」ところが51.3%と「奨励している」ところ46.6%をやや上回った(第47図)。

      第47図 日本語検定試験

      受験を「奨励している」回答した245カ所の第一次機関の具体的な奨励内容は、「試験に関する情報を提供する」が88.2%と圧倒的に高く、次いで「受験対策用の問題集などを提供する」が52.2%と回答率であったがこれらはいずれも比較的消極的な奨励策であった。一方、積極的な奨励策である「受験のための補習授業又は自習時間を設ける」は23.3%、「合格者に賞金等を支給する」は19.6%であった(第48図)。

      第48図 奨励している具体的な内容

      さらに、受験を「奨励していない」と回答した第一次機関は270カ所あったが、その具体的理由は「研修生の自主判断に任せているから」が60.7%、次いで「検定試、験の受験に伴う経済的な負担が大きいから」が21.1%、「どのように受験させるのか分からない」が16.3%、「日本語の検定試験そのものを知らない」と「日程があわないから」の両者が各々14,8%であった(第49図)。

      第49図 奨励していない理由

    5. JITCOに対する意見・要望等(自由記述方式)
      本欄に対する意見等は様々なものがみられたが、主なものは以下のとおりである。
      ・送出し機関への指導の強化(派遣前日本語教育の強化等)して欲しい
      ・JITCO本部から日本語教師を派遣して欲しい
      ・中小企業日本語教育支援助成金を増額して欲しい
      ・日本語の上達を促すような副教材を開発して欲しい
      ・日本語学習の通信教育用教材が欲しい
      ・技能検定基礎2級の受験対策用の試験問題集を作成して欲しい
      ・日本語検定試験合格者にから賞金を支給して欲しい

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■お問い合わせ先

(財)国際研修協力機構 能力開発部援助課 電話03-6430-1183