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バックナンバー(2005年度)

事例11 沼津地域の受入れ4団体による連携取り組み
-地方自治体の指導のもと地域住民との更なる融和を図る-
(静浦ひもの協同組合・静東人材開発協同組合・沼津ひもの職人センター協同組合・職業訓練法人
国際総合技能育成協会(順不同)の事例)


  研修生・実習生が日本で生活をするにあたり、言葉、食べ物、習慣等の面で戸惑う機会は多いと思われます。なかでも、地域住人からマナーを問われる一方、彼らには非常に理解しづらい事項の一つが「ごみの出し方」ではないでしょうか?
静岡県東部の政治・経済の拠点である沼津市には、複数の受入れ団体により、水産加工業を中心に研修生・実習生の受入れが行われており、現在、中国人男性中心に約450人の研修生・実習生が生活しています。
受入れ団体にとって最大の懸念は、外国人である彼らの考え方や生活習慣等の相違からくる地域住民とのトラブルです。各受入れ団体は、地域住民との融和を図るため、傘下の受入れ企業が個々に行っている生活指導とは別に組合として如何に指導すべきか、また、地域に如何に貢献できるかを常に考えてきました。
しかし同時に、「一部の受入れ団体の、一部の研修生・実習生」の生活マナーが悪ければ、同地域の「全ての受入れ機関の、全ての研修生・実習生」が同様に悪いイメージを持たれる状況を改善する必要性も強く感じていました。
こうした中、同地域の「静浦ひもの協同組合」、「静東人材開発協同組合」、「沼津ひもの職人センター協同組合」、及び「職業訓練法人 国際総合技能育成協会」の4団体(順不同)は、各団体が連携して地域住民との無用なトラブルを回避する方策を検討するため、「団体連絡会」を新設し、相互に共通の問題事項を協議することを決めました。
同連絡会の開催状況は次のとおりです。
第1回は、2005年7月に開催されました。同連絡会における今後の協議事項を、①合同奉仕事業(一斉清掃の実施等)、②ごみの出し方(分別、指定曜日・時間・場所などのルール遵守等)、③生活管理(外出時の注意事項、夜間外出の自粛等)、④交通マナー(自転車の乗り方や駐輪時の注意事項、自転車ステッカー貼付、歩行中の注意事項等)等としました。
なかでも、当面の最大の課題は「ごみの出し方」について研修生達にどのように周知・徹底させるかという点であることについて4団体の意見が一致しました。母国(中国)のごみ処理事情と大きく異なる日本のルールについて、戸惑う研修生も多く、その指導について団体共通の手法を検討することとしました。ちなみに、沼津市は全国でも指折りの「ごみの出し方」に厳しい自治体で、その厳格なルールは他の自治体から「沼津方式」と言われています。なお、ごみの出し方、自転車の乗り方など生活面のマナーについて気づいた点があれば、他の団体・企業で受入れている研修生・実習生であっても、遠慮せず相互に注意・指導しあうこととしました。
第2回は、2005年11月20日に開催されました。当日は、沼津市が主催した市内一掃清掃取り組みの一環として、獅子浜の海岸地域の清掃活動に、4団体の研修生・実習生約350人が参加しました。研修生・実習生の精力的な作業により、浜辺があっという間にきれいになっていったことに対し、地域住民からは驚きの声が上がりました。
第3回は、2006年1月16日に開催されました。当日は、沼津市役所から、生活環境部ごみ対策推進課課長と職員の方が同席され、同市における環境美化活動の実施状況、外国人に対するごみ分別方法の周知等についての説明とともに、様々な助言を受けました。同課長からは、「研修生の活動は沼津市としても今後関心をもってみていきたいので、是非引き続き市の取り組みに対する協力をお願いする」との発言がありました。
これに対し連絡会からは、各受入れ団体が実施する集合研修の際に、沼津市から講師の派遣等の公的援助を受けていることを深謝するとともに、引き続き、受入れ団体に対する継続的な指導をお願いし、市役所側の了解を得ました。

第3回団体連絡会の様子
第3回団体連絡会の様子


第3回団体連絡会の様子

(筆者後記)
第3回の連絡会に同席させていただき、出席者の方々の熱のこもった話を聞かせていただき大変参考になりました。また、沼津市役所からは、ご多忙の中ご出席いただき、沼津方式について説明いただくとともに、団体の方々に対し様々なご指導をいただきました。「ごみの出し方」等、日本の厳格な生活規範を学習することも研修の柱の一つであることを考えれば、沼津市で生活する研修生・実習生は大きな学習成果を得る機会に恵まれていると認識しました。